為替サマリー
円・米ドル
中東情勢の緊迫化を受けていつものように円高が一時的に進行したが、戦争リスク沈静化とともに当初に比べ反って円安となったことはやや予想外だった。本邦輸出企業も為替予約に加え、海外でのドル再投資や部品の輸入比率拡大等の施策により、円高抵抗力を上げていると思われる一方で、ドル下値ではドル買いニーズが強いことを確認する結果となった。当面は110円を挟んだレンジ相場が続こう。
円・ユーロ
昨年来の米中貿易摩擦の激化で、欧州の貿易相手国である中国の景気低迷懸念、および米による欧州への関税攻撃や迷走するBrexitによる対英貿易など、貿易を巡る先行き不透明感と、独、仏、伊、スペインなどの政局混迷を反映し通貨ユーロは長期的に下落基調だった。ただし足元では、米大統領選を控えトランプ政権の関税攻撃が一旦沈静化しBrexitも決着に向かうなど、問題が徐々に解決されつつあり通貨ユーロは強含みか。
円・豪ドル
昨年から続く山火事が経済に打撃を与える可能性が指摘され、先行きの金融緩和観測が燻る中で豪ドルにも下落圧力がかかる。一方、主要貿易相手国である米中貿易摩擦の緩和や、それに伴う世界的な株高を反映し、豪州株も堅調な動きが続いている。今後海外投資家による豪州資産購入に伴う豪ドル購入が見込まれ、豪ドルの下値は限定的と思われる。
円・ブラジルレアル
11月の鉱工業生産は前月比▲1.2%と4か月ぶりのマイナス。12月インフレ率は前年比4.31%と先月の3.27%から大幅上昇したが、インフレ率は漸く中銀の目標レンジの仲値に戻っただけで当面金融政策変更の可能性は低く金利の低位安定が見込まれるとして、実質金利低下観測から通貨レアルは弱含み。ただし、中長期的に見るとブラジル経済は緩やかながらも回復基調で、堅調な株価を追いかける形で通貨レアルも買い戻されよう。
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