為替サマリー
円・米ドル
年初から断続的に発生したリスクオフ局面において、経験的には大幅な円高進行も不思議でなかったにもかかわらず、現在はやや円安となっている。本邦輸出企業も為替予約に加え、海外でのドル再投資や部品の輸入比率拡大等の施策により、円高抵抗力を上げていると思われる。一方で新型ウィルス問題の完全解決までの道のりは遠そうで、当面は110円を挟んだレンジ相場が続こう。
円・ユーロ
昨年は米中貿易摩擦の激化や迷走するBrexit、およびユーロ圏の政局混迷を反映し通貨ユーロは長期的に下落基調だった。ただし年初来、米大統領選を控えトランプ政権の関税攻撃が一旦沈静化し、Brexitも決着に向かうなど、政治的問題が徐々に解決されつつある。足元の低調な経済指標を受け、金融緩和観測から通貨ユーロは売られたが、ECBは「緩和から財政政策へバトンタッチ」との姿勢で、財政支出拡大となれば一旦通貨ユーロは買い戻される可能性がある。
円・豪ドル
豪準銀政策理事会では政策金利を過去最低の0.75%に据え置くことを決定した。国内外の景気は改善傾向との認識を示す一方、森林火災と新型ウィルスによる経済への影響が不透明要因として、必要であれば金融緩和の準備があるとした。足元では1月の購買担当者指数がサービス業、総合ともに好不調の分かれ目となる50を越えるなど豪州経済は堅調で、豪ドルの下値は限定的と思われる。
円・ブラジルレアル
中銀は政策金利を0.25%引下げ過去最低の4.25%とする一方で、金融緩和プロセスの一旦終了を示唆した。利下げは5会合連続で新型ウィルスに対する警戒もあったもよう。通貨レアルは米イラン抗争に続く新型ウィルスショック、および利下げの影響で下落基調。ただし、足元12月の鉱工業生産は前月比で改善傾向を示し、1月購買担当者指数もサービス業、製造業ともに堅調で株価は最高値更新中。今後、指標や株価が示唆する通り経済回復が順調に進めばレアルにも買戻しが期待されよう。
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