地域経済サマリー

米国

雇用統計など2月までの経済指標は比較的堅調だったが、NY連銀製造業景気指数など3月の指標は新型肺炎の影響が出始めており、今後も経済指標に一段の悪化が予想される。Fedが緊急利下げを矢継ぎ早に決定し政策金利を再びゼロ%近辺とし、保有債券残高の拡大を発表した。トランプ政権は国家非常事態を宣言しEU等からの入国制限を行うとともに、新型肺炎対策として$500億支出すると発表した。

欧州 

欧州経済は独を中心に中国の影響を大きく受けるため、新型肺炎の経済面への影響が今後顕在化してくると予想されるうえ、人の往来も多く感染者数の拡大に歯止めがかからない。ECBは12日の理事会において▲0.5%とすでにマイナスの政策金利は据置いたものの、新型肺炎問題で動揺する欧州経済を支えるため、年末までに€1200億の資産を追加購入するとともに「TLTRO」と呼ばれる低利の資金供給策の拡充を発表した。今後は新型肺炎対策として独による財政出動が注目される。

日本

10-12月期GDP成長率改定値は年率▲7.1%と下方修正され、今年1-3月期もコロナショックにより2期連続のマイナス成長が予想される中、改めて景気後退局面入りが意識されつつある。日銀は政策決定会合を16日に前倒して実施、追加緩和策を発表した。政策金利は据置いたが、ETF買入ペースを年12兆円に拡大するなど資産買い入れ姿勢を強化するするとともに、世界的な危機に対応し各中央銀行と協調した行動をとった。今後は新型肺炎対策として財政支出拡大が期待されている。

アジア・オセアニア

中国では2月の小売売上高が前年比▲20.5%、鉱工業生産が▲13.5%と新型肺炎が実体経済に悪影響を及ぼしていることが確認された。一方でウィルス感染者数の拡大には歯止めがかかりつつあり、一部企業活動も再開するなど、いち早くコロナショックから立ち直る兆しを見せている。アジア周辺国に関しては、感染拡大が足元で始まった国もあり、特に豪州など資源国は商品価格下落の影響も合わせ、今後経済がどの程度落ち込むのか予測がつかない。

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