株式サマリー

米国株式

ブラックマンデーに次ぐ下落となった米株市場だが、日・中とは異なり新型肺炎がついに上陸し、これから感染拡大との警戒感がある。国民皆保険制度が充分に整備されていないうえ、診察・治療費用が高額なため低所得者層を中心に受診をためらう動きが感染拡大を加速するとも考えられる。一方で、人の移動が今後制約されても、米国では在宅勤務等が先行しているため経済的なインパクトは相対的に小さいと思われ、移動制限を厳格化することで感染者数を現状レベルで食い止められれば、米株の下値も限定的か。

欧州株式

伊に続き仏、独でも感染者が拡大しているうえ、域内で広がる難民問題がさらに拡大を加速するとの警戒感から、欧州委員会はEU域外からの30日間にわたる入国制限を決定した。経済的な結びつきが強い中国の景気減速懸念が欧州経済を下押しするとの思惑から、当面は欧州株の下値目途が見えない。ただし過去経常黒字を溜め込んできた独が財政出動に前向きな姿勢を示すなど、各国が景気下振れを抑制する政策を検討しており、協調が確認されれば株価下げ止まりとなる可能性も。

日本株式

新型肺炎の影響でサプライチェーン分断化による供給面からの景気後退局面入りへの警戒感に、消費減退による需要面からの景気下押し懸念が加わり日本株は売られた。ただし感染者数の増加ペースは減速しており、中国に続き感染拡大阻止に成功するとの期待感も残る。足元では日銀による追加緩和策に続き政府による新型肺炎対策として財政支出拡大が期待されており、それら対策によりコロナショック鎮静化までの時間を稼ぐことができれば日本株反発の可能性もある。

アジア・オセアニア株式

いち早く感染者拡大阻止に成功し企業活動も正常に戻りつつあるとして、中国株は日米欧株に比べ底堅く推移している。米中貿易摩擦に続く香港民主化要求デモ、コロナショックといった断続的逆風を受けながらも中国経済成長に対する期待感が引続きあるもよう。一方、資源国が多いアジア周辺国に関しては、商品市況全体の下落に加え感染拡大が今後加速しそうで、株価は当面下値模索が続きそうだ。

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