米国市場
年初来上昇基調だった米国株だが、ここにきてヘッジファンドの空売り銘柄を標的とした個人投資家によるスクイーズ取引を発端として相場全体が乱高下、バブルの発生を指摘する声が強まってきた。足元ではバイデン政権の政策方針が明らかになりつつあるが、まだ市場の評価は定まっていはいない。ここまでの相場上昇に伴い株式市場全体の配当利回りが低下する一方、ボラティリティーの上昇に伴いリスク・リターンで見た株式投資の魅力は低下している。今後はポートフォリオのボラティリティーを一定に保とうとするリスクパリティー型ファンドの株式売り圧力が高まることにも注意が必要だ。
先週のFOMCでは金融政策の現状維持が決定され、パウエルFRB議長は記者会見で「FRBの目標達成までには一定の時間がかかり、早期の量的緩和縮小の検討は時期尚早」と発言した。FRB高官が年初に資産買入縮小(テーパリング)の年内検討の可能性に言及したこともあり長期金利は上昇傾向にあったが、改めて市場の観測を打ち消した。但し、議長発言を受けても長期金利の低下は小幅にとどまり、バイデン政権の財政支出拡大を背景とした将来的な金利上昇を見込む市場とFRBの神経戦は当面続こう。
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